qutebrowserの使い方が分かってきたので記事にしました。
慣れるまでに それなりの労力が必要ですが、 UI に関心があるなら、一考の余地があると思います。
試す価値はあるのか?
『UI = 見た目 + 操作性』ということで、両者を詳しく検討します。
見た目の比較
まず、 3 つのブラウザの見た目を比べます。
qutebrowser
qutebrowserは、 Vim 風のキー操作で知られたブラウザです。カスタマイズすると、次のような見た目になります:
この distraction-free な画面が魅力的なら 、 qutebrowser を使う メリットは大いにあると言えます。
Google Chrome
Chrome は、基本的なセンスがいいブラウザだと思います:
一見良い画面ですが、 タブバーが分厚過ぎます。また、タブの数が増え過ぎると、閲覧性が下がります。
Firefox
Firefox には、 ツリー型タブという最強の拡張があります:
かなり良いですが、 タブが分厚いのが惜しいところです。
また、 メモリ使用量が非常に多いこともあり、使いたくても使えないブラウザとなっています。
まとめ
qutebrowser の 簡潔な画面が気に入れば、試してみる価値はあると思います。逆に、普段使っているブラウザが、 いかに込み入ったレイアウトを使っているかを感じてもらえばと思います。
qutebrowser について詳しく
Command line interface
これが qutebrowser の 最も優れたポイントです。たとえば、アドレスバーもコマンドラインに相当します:
特にブックマークの閲覧が楽で、これに関しては 他のブラウザが及ぶところではないと感じています。 1,000 個くらい登録しても余裕です。
qutebrowser ができないこと
これだけは留意しておく必要があります。
- youtube 以外の動画再生 (ニコニコ動画、 SNS など)
一応、 mpvを介して閲覧可能ですが、 SNS には厳しいかもしれません。 - パスワードの自動入力
できるはずなのですが、 userscript を上手く動作させられませんでした。 Cookie? が消えたら手動で再入力しています。
qutebroser の罠
- Vim と同様に、 insert mode があります
- 検索性が悪く、カスタマイズに手間取ります。
- userscript 周りがかなり不親切だと思います。
qutebrowser の設定
公式の Configuring qutebrowserを読み、設定ファイル config.py
のパスを確認します。
おすすめの設定は、この dotfiles1の config.py
です。以下では、この config.py
をコピー済みという前提で設定を追加します。
pdf を閲覧可能にする
config.py
に以下を追加します。
c.content.pdfjs=True# enable to see pdf
:config-source
を実行することで、設定を反映できます。
お好みで
前回閉じたときのタブが自動で復元されるようにします:
# Save session automatically
config.set('auto_save.session',True)c.auto_save.session=True
諸々:
c.url.default_page='https://google.com/'c.url.start_pages='https://qutebrowser.org/'c.scrolling.bar="always"
操作性をカスタマイズ:
# Open new tab with `F` without focusing it
config.set('tabs.background',True)# ?
c.input.partial_timeout=0
たとえば :open d word
と打てば、 cambridge dictionary で word
を検索してくれるようにします:
c.url.searchengines={"DEFAULT":'https://google.com/search?q={}',"b":'https://bandcamp.com/search?q={}',"cr":'https://crates.io/search?q={}',"d":'https://dictionary.cambridge.org/dictionary/english/{}','g':'https://github.com/search?q={}',"s":'https://stackoverflow.com/search?q={}',"y":'https://www.youtube.com/results?search_query={}',}
見た目を調整します:
c.tabs.position="right"c.tabs.width=160c.tabs.padding={'bottom':4,'left':4,'right':4,'top':4}
ズーム値:
config.set('zoom.default','75%')
タイトルバーを隠す (macOS のみ?)
設定するとウィンドウを動かせなくなるので、決まった位置に配置するのはなかなか大変です。
c.window.hide_decoration=True
詳しくは、 Mac をやりすぎて Hack になったわね#qutebrowserをご覧ください。
CSS をカスタマイズする
Greasemonkeyの出番です。Greasemonkey は、 JavaScript を走らせるための機構だと理解しています。
<data>/greasemonkey
に配置した .js
ファイルを実行してくれるようです。 built-in なのか、特にインストールは要りませんでした。
<data>
については、:version
の出力を見ると、Paths
という項があります。その下にあるdata
が<data>
に対応します。 Mac では~/Library/Application Support/qutebrowser
でした。
FAQを見ると、サポートが不完全だそうですが、よく分かりません。ひとまず、こんな形で CSS 2を読み込ませています:
// ==UserScript==// @name narou-verticalizer// @namespace https://ncode.syosetu.com// @include https://ncode.syosetu.com/*// @version 1// /==UserScript==varcss=document.createElement("style");css.textContent=`
body {
color: #d8d8d8;
background-color: #000000;
}
...
`;document.head.appendChild(css);
そして :reload-greasemonkey
を実行すると:
ヤッター!
まとめ
youtube 以外の動画を再生できない qutebrowser ですが、その他のユーティリティは 最高品質だと思います。日々の利用にいかがでしょうか。