はじめに
こいついつも.vimrc弄ってんなと言われてはや数年、今年も弄ってます。
今回は二本立てになっています、ちなみにWindowsでKaoriya版のGVimを使ってますので、ご自身の環境への読み替えをお願いします。
VimをCUIコマンドに組み込む
僕は開発中のビルドにQuickRunの他に素のコマンドプロンプトもよく利用しているのですが、といいますかまずはコマンドプロンプトでVimに依存しない開発環境を整えて、それをVimの開発に落とし込むという手順を踏んでいるのですが、そうするとコマンドプロンプトとVimの連携もしたくなってくるかと思いますので、対応できるようにしました。
成果物はこちらです、コマンドプロンプト上で各種言語のLinterやビルドのエラーメッセージにVimのerrorformatを適用してフォーマットを統一し、fzf(pecoの親戚みたいなの)でエラー箇所を選択し、GVimで開くためのツールキットです。
wordijp/mycommands - (GitHub)
この中で言語別のerrorformatの適用にVimをCUIコマンドとして呼び出しています。
デモ
CUIコマンドとして呼び出している部分
この呼び出し部分もCUIコマンドにしています、batファイルで書かれていますが、Windows上の色々不便な部分1を解消するためにRustで書かれたコマンド経由で呼び出すようにしています。こんな事するんなら最初からLinux環境使えという言葉はやめてくださいしんでしまいます
下記がそのソースです。
@rem internal\vim-loclist.bat
@echo off
@rem エラー一覧をQuickFixロケーションリストへ変換する
if "%1" == "" (
echo "usage) vim-loclist <filetype>"
exit /B 0
)
vim - -es +"source $VIM/vimrc" +"set nonumber" +"set filetype=%1" +":lgetbuffer" +":lopen" +:%%p +:q! +:q! | tail +2 | grep -v -E "^\|\|\s*$"
エラーメッセージをパイプ経由でこのコマンドに渡す事を前提としており、QuickFix経由で言語別のerrorformatを適用し標準出力に流します、errorformatは言語別に設定が違い自動判別も難しいため、filetypeだけは引数で任意に指定する必要があります。
こうすると、PHPの場合は
php -l | vim-loclist php | fzf(or peco)
C++の場合は
make 2>&1 1>nul | vim-loclist cpp | fzf(or peco)
という風にerrorformat適用後の一覧の選択ができ、さらに後ろにGVimで開くコマンドを追加すればコマンドプロンプトでのエラー結果をGVimで開けます。
ちなみにエラー結果をGVimの起動引数に変換するのもCUIコマンドにしています。
※shはMSYS2で対応しています。
# internal/vim-arg.shcat - | \sed-u-E's/([^|]+)\|([0-9]+)( col [0-9]+)?\|.+$/+\2 \1/'
参考
dotfiles晒し
今年、Language Server Protocol(以下LSP)が登場し、コーディングツールキットに革命の波が押し寄せてきました、なのでLSPに対応した.vimrc含めdotfilesを晒していこうかと思います。
wordijp/dotfiles-win - (GitHub)
※PHP用のQuickRun設定では一つ目に紹介したmycommands内のコマンドを呼び出しています。
Kaoriya版Vim用の.vimrcですが、ファイル群を%USERPROFILE%(C:/Users/user)に置けば済むようにしています、makeはMake for Windows前提です。
> @rem インストール(要Make for Windows)
> make install
この設定は下記の各種言語にて統一された操作感を持つ事を目的としています、頻繁に言語をまたいで開発しているためVimが手放せません。2
- C/C++
- Rust
- PHP
- Ruby
- Python
- Go
- JavaScript
なお、各種言語で静的構文解析ジャンプ・コード補完・Linter/ビルドのために、LSPの他にValloric/YouCompleteMe - (GitHub)(以下YCM)、w0rp/ale - (GitHub)、fatih/vim-go - (GitHub)、racer-rust/vim-racer - (GitHub)なども利用しています、将来的にはLSPに一本化されるとは思うのですが、まだまだ発展途上のため各種プラグインを併用した状態になっています。
例えば、静的構文解析ジャンプは次のようにしてます、めんどくさい。
" .vimrc" 静的構文解析ジャンプletg:go_def_mapping_enabled=0 "自前でマッピング
nnoremap <F12>:call<SID>defJump()<CR>
nnoremap <C-]>:call<SID>defJump()<CR>
nnoremap <C-h>:vsp<CR>:call<SID>defJump()<CR>
nnoremap <C-k>:split<CR>:call<SID>defJump()<CR>functions:defJump()if&ft =='go':GoDef
elseif&ft ==# 'cpp'||&ft ==# 'php'||&ft ==# 'ruby'" 実装へジャンプ:call LanguageClient#textDocument_definition()elseif&ft ==# 'rust':execute "normal \<Plug>(rust-def)"elseif&ft ==# 'javascript'||&ft ==# 'javascript.jsx'||&ft ==# 'typescript'||&ft ==# 'python':YcmCompleter GoToDefinition
else:exe("tjump ".expand('<cword>'))endendfunction
PHPのLSP対応
WindowsでPHPのLSPを動かすにはfelixfbecker/php-language-server - (GitHub)を使うのですが、こちらはWindowsでは標準入出力経由では動きません、Tcp経由にする必要があります。
VSCodeのプラグインはそのようにしてるのですがVim用は探す限り見つかりませんでした、なのでTcp経由で接続するVim用プラグインを自作しています。
wordijp/LanguageServer-php-tcp-neovim - (GitHub)
" .vimrc" Tcp経由のphp-language-serverインストール
Plug 'wordijp/LanguageServer-php-tcp-neovim',{ \'do':'bash ./install.sh && composer install && composer run-script parse-stubs' \}
上記の制約により標準入出力のみのprabirshrestha/vim-lsp - (GitHub)は使うことが出来なくなります、今のところはautozimu/LanguageClient-neovim - (GitHub)しかないかと思います。
denite
大きそうな設定なのでこちらも記載。
速度と利便性を兼ね合いした結果、ファイル検索はfindより高速と評判のsharkdp/fd - (GitHub)を、grepはUTF-8・Shift_JIS両対応で速度のバランスが良いmonochromegane/the_platinum_searcher(通称PT) - (GitHub)を利用しています。
除外は検索時点で省くのが最速だろうって事で直に設定しています。
" .vimrc" denite" find source" NOTE: 除外もこっちcall denite#custom#var('file_rec','command', \['fd','.','-HI','--type','f', \'-E','.git', \'-E','vendor', \'-E','node_modules', \'-E','target', \ \'-E','*.bak', \'-E','*.o', \'-E','*.obj', \'-E','*.pdb', \'-E','*.exe', \'-E','*.bin', \'-E','*.dll', \'-E','*.a', \'-E','*.lib', \'-E','.gitignore', \'-E','.*.*', \])call denite#custom#source('file_rec','matchers',['matcher_fuzzy'])" grep source" NOTE: ptでutf8、sjis両対応call denite#custom#var('grep','command', \['pt','--nogroup','--nocolor','--smart-case','--hidden', \'--ignore','.git', \'--ignore','vendor', \'--ignore','node_modules', \'--ignore','target', \ \'--ignore','*.bak', \'--ignore','*.o', \'--ignore','*.obj', \'--ignore','*.pdb', \'--ignore','*.exe', \'--ignore','*.bin', \'--ignore','*.dll', \'--ignore','*.a', \'--ignore','*.lib', \'--ignore','.gitignore', \'--ignore','.*.*', \])call denite#custom#var('grep','default_opts',[])call denite#custom#var('grep','recursive_opts',[])call denite#custom#source('grep','matchers',['matcher_fuzzy'])
ショートカットキーは
" .vimrc" ctrlp like
nnoremap <silent><C-p>:<C-u>Denite file_rec<CR>" grep(選択単語)
nnoremap +:<C-u>Denite -buffer-name=search -no-empty grep-input=<C-R><C-W>" grep
nnoremap <silent> ;g:<C-u>Denite -buffer-name=search -no-empty grep<CR>" 検索
nnoremap <silent> ;/ :<C-u>Denite -buffer-name=search -auto-resize line<CR>" 閉じたバッファをまた開く
nnoremap <silent> ;r:<C-u>Denite -buffer-name=search -resume<CR>" 次へ
nnoremap <silent> ;n:<C-u>Denite -buffer-name=search -resume -immediately -select=+1<CR>" 前へ
nnoremap <silent> ;p:<C-u>Denite -buffer-name=search -resume -immediately -select=-1<CR>
終わりに
凄く属人的な気がしますが助力になれば幸いです。