はじめに
この記事は,Vim Advent Calendar 2017(その2)の6日目の記事です.
みなさん,vimrcを育てていますか?
vimrcは我が子のようなもの.生まれてきたその日から,大切に育ててきたのではないかと思います.
たまに,最低限の設定しかvimrcには書かない!という信念を持っている人を見かけます.しかし,それは作業を効率化するための努力を放棄しているだけではないかと,個人的には思います.たかがvimrc,されどvimrc.少しずつでもいいので,自分に合ったvimrcを育てていきましょう.そして沼に嵌っていくのです…
vimrcを育てるためには,他人の色々な設定を見て,良いと思うものを取り込んでいくのが一番手っ取り早いと思います.この記事では,そのための参考になるものをいくつか紹介したいと思います.
Vim Advent Calendarを読む
最も簡単で,一番おすすめなのはVim Advent Calendarを読むことです.今まさに読んでるところだよ!と思うかもしれませんが,私が読んで欲しいのは過去のVim Advent Calendarです.
- Vim Advent Calendar 2011 : ATND
- Vim Advent Calendar 2012 : ATND
- Vim Advent Calendar 2013 : ATND
- Vim Advent Calendar 2014 - Qiita
- Vim Advent Calendar 2015 - Qiita
- Vim Advent Calendar 2016 - Qiita
- Vim (その2) Advent Calendar 2016 - Qiita
Vim Advent Calendarは2011年から始まっており,今年で7年目となっています.去年までの記事の合計数はなんと676件!あれ?Advent Calendarは毎年12月の1日~25日に行われるものだと記憶しているので,どう頑張っても数が合わないのですが…
それもそのはず.Vim Advent Calendarは毎年25件の記事だけでは終わりません.この記事が投稿されているAdvent Calendarも“その2”ですので,2つのカレンダーが埋められれば合計50件の記事が投稿される計算になります.
過去のカレンダーを見てみると,なんといっても一番すごいのは2012年のVim Advent Calendarでしょう.Advent Calendarなのに12月26日以降も続けられ,最後の記事が投稿されたのは翌年の11月30日でした.今年のカレンダーの説明に※1年間は続けません,なんて書いてあるのは,過去にこんなことがあったからなんですね.
さて,これだけたくさんある記事を全部読むのは流石に無理があるので,興味があったり,自分が読めるレベルの記事を適当に読んでいきましょう.自分が初めて過去のVim Advent Calendarを読んだときは,1週間くらいかけて全体の1~2割くらいの記事に目を通したような気がします.本当に初心者向けの記事から,上級者向けの記事まで幅広く,数多く揃っているので,誰が読んでも楽しめますし,新たな発見があることでしょう.
他人のvimrcを読む
他人のvimrcは,その人が蓄えてきたVim知識の宝庫です.参考にならないわけがありません.とはいえ,無数にいるVimmerのうち,誰のvimrcを読めばいいのでしょうか?
これに対する正しい回答があるわけではないのですが,有名なpluginの作者のvimrcを見てみると,色々な設定が書かれていて参考にする部分が多いように感じます.特に,あるpluginの設定方法について知りたい場合は,その人のvimrcを見れば大抵書いてあります.ちなみに,githubのdotfilesというレポジトリの中にvimrcを置いている人が多いです.
これは特殊な使い方かもしれまんせんが,自分の場合,他の人はこれについてどんな設定をしているのかな?と思ったときは,とりあえずdein.vimなどの作者として有名なShougoさんのレポジトリを見てみます.vimrcを設定の種類に応じて細かく分けているので少しわかりづらいですが,色々なノウハウが詰まっていて見ているだけでも楽しいです.
vimrc読書会に参加してみる
vimrc読書会とは
オンラインで集まり、毎回みんなで特定の誰かの vimrc を読んで、気になるところやわからないところ、感心するところなどを好き勝手に言いあう集まりです。
「vimrc読書会」というものが毎週土曜日の23時に,Gitter上で開催されています.アーカイブによると,vimrc読書会の初開催は2012年7月10日.こちらも5年以上に渡って,毎週行われてきたようです.
他人のvimrcはとても参考になるのですが,どうしても分からない設定が出てくることもあると思います.vimrc読書会では,毎回みんなで特定の誰かのvimrcを1時間ほどかけて読んでいます.Gitterではそのvimrcの良し悪しや分からないことについて話されており,vimrcを書く参考にもなりますし,Vimへの理解を深めることもできます.
チャットに参加せずとも,一緒にvimrcを読んで,他の人のチャットを眺めているだけでも得られるものはたくさんあります.Vim熟練者の常連の方がいるので,チャットに参加すれば誰でも満足のいく議論ができると思います.チャットに参加している人数はいつも10人に満たない程度なので,気軽に参加して欲しいと思います.かく言う私は時々しか参加していない上に,いつもROM専です.ごめんなさい.
helpを読む
helpはVimのマニュアルです.helpを読めばVimの全てがわかると言っても過言ではありません.とりあえずググる,その前にとりあえずhelpを引きましょう.
紙の辞書は前後の単語も目に入るので良い,なんて言ったりしますが,Vimのhelpも前後の設定が目に入るので,一度helpを引くだけで一石二鳥です.実際にhelpを引いていても,前後の項目が気になってついつい脱線してしまうことがよくあります.とはいえ,helpには詳しい使用方法までは書かれていないことも多いので,適宜ググりながら読むと良いと思います.
helpの難点はVimが使えない環境では見られないという点です.しかし,今はインターネットの普及した時代.Vimmerのための便利なサービスがあります.
Web版ヘルプです.いつでもどこでもhelpを引きましょう.Googleカスタム検索も使えるので,場合によってはVim上のhelpよりも便利に活用できるかもしれません.
おわりに
今回は4つの方法を挙げてみましたが,いかがだったでしょうか?どちらかというと初心者向けな記事となりましたが,vimrc読書会なんかは活用していない人も多いんじゃないかと思います.自分自身もまだまだ十分には活用できていないので,今後は積極的に利用していきたいです.